アマカン講談師の講談的ひとりごと

講談と講談師について、アマチュア講談師が気ままに語ります。

第十九席 プロの講釈師の講談会を主催することについて

講談を始めて10年近く経った頃、

「プロの講釈師の方の会を主催してみたい」
と思うようになりました。

私がやりたいと思ったのは、
所属協会が異なる講釈師。

所属の違う2人の講釈師が
普段一緒に会をやることはあまりありません。

2人が一緒の会で講談を読むのを聴きたいお客様も
きっといる。
そのお客様に喜んで貰えるといいなー。

それに、私自身がプロではないのに、
いろいろなところにお呼びいただいている、
それを考えると、
自分も、呼ぶ側の立場に立つことがあってもいいだろうと〜。

そう思って軽い気持ちで始めた会ですが、
多分、もう5年ほど続いていると思います。

とにかく、記録を取ることが出来ないたちなので、
大体のことしかわからないんですー(汗)

つい最近の会は、
お客様がかなりたくさん入って下さいました。

皆さん、この値段でこんな講談がたっぷり聴けるとは
安すぎるー
とおっしゃいます。

木戸銭値上げ考えてます(ウソです)。

いま、神田松之烝という若手の講釈師が
すごい人気で、
講談のお客さんが増えているらしいんですが、

講談のお客さんは、
ある特定、つまりご贔屓の講釈師は聞くけど
他の講談はあまり聞かないという傾向が
あるような気がするんです。

かく言う私も
そういう傾向にある感じです(汗)

ですから、すごく売れる講釈師は多分、すごく売れ続けるけれど、
講談界自体が、すごく盛り上がっていくわけではないような〜
気がするんです。

ですから、出来るだけ講談の裾野を広げるために
いろいろな講釈師の講談会を開いていくように、
足を運んでもらうように、

もちろん自分も足を運ぶように、
お客さん主催の会がどんどん開かれるように
なればいいなあと思っているのです。

プロの講釈師の講談会を主催していると言っても
今のところ、わずか年に2回ですから、
これを増やすのが目標です。

私は、講談を聞くのはもちろん好きなのですが、
講談を聞いている人たちの表情を見たり
(楽屋から、前の方に座っている人たちの表情を
伺うことが出来ます)、

講談を聞いている皆さんの雰囲気を感じるのも
大好きなんです。

前の方の席に座っている人たちが
話に入り込んでしまって、
口が半開きになっていたり、
目がマジになっていたり、

要するに 無防備な表情になっているのを伺うと、
講談という話芸の力をヒシヒシと感じる訳です。

夢中になって入るお客さんを見ていると
幸せな気持ちにもなります。

大掛かりな舞台セットがある訳でもなく、
スピーカーから大音響が聞こえてくる訳でもない、

マイクすらないような小屋(この言い方も好きですね〜)で、
至近距離で聞く講談に
大の大人が無防備で入り込んでいく

そんな姿を垣間見ると
改めて
「講談やっててよかったー」
とか思っちゃいます。

本日のところは、
「プロの講釈師の講談会を主催することについて」の
一席、これをもって読み終わりと致します。