アマカン講談師の講談的ひとりごと

講談と講談師について、アマチュア講談師が気ままに語ります。

第二席 プロの講談師に講談を習いながら、講談を聴きまくる。

息子を御徒町の将棋センターに連れて行って、
その界隈をフラフラしていて、
何気なく入った寄席ーそれは実は女流講談師の講談会だったのですがー
そこで聞いた講談に、心を奪われた〜‼️

ここまでが前回のお話でございます。

心を奪われた私は、
「この、講談というのをやってみたい!」
「もっともっと、講談を聞きたい」
「いろいろな講談師の講談を聞いてみたい」
と、強く思ったわけでございます。

そこで、まず、
寄席が経営しているカルチャースクールで、
講談を習うことにしました。

月1回、女流講談師の教室に通うことにしました。

とにかく、いろいろな講談師の講談も聞いてみたかったので、
仕事の帰り、保育園に娘を迎えに行き(その娘も今や大学三年生)
娘の手を引いて、両国、上野、新宿など、
講談会に足を運んだのでございます。

平均して週に3回ほど、講談を聴きに通い続けたという〜
費やした時間と費やしたお金、
いま考えてみれば、結構なものでございます。

しかし、その頃はお金のことなど考えもしませんでした。

とにかく、講談を聴きに行きたい、
神田、宝井、一龍斎、田辺、
いろいろな流派の講談師の講談を聴いてみたい、

その一心で通い続けたわけでございます。

一方、カルチャースクールの講談教室では、
赤穂義士討ち入りのエッセンス
佐野源左衛門駆けつけの調子のいいところ
宮本武蔵

など、こちらも娘を連れて行って、
横に座らせて勉強しました。

その頃、いろいろな講談を聴きましたが、
なんで、あんなに夢中になったのかと言うと、
やはり、
講談独特のリズム、
聴きながら、頭の中に映像が浮かぶ

そんなところに夢中になったのではないかと思います。

でも、好きなものや、自分がハマるものには、
こういう理由で好き ということが
明確に言えないことが多いような気がするのでございます。

その頃 6歳だった娘は講談に連れて行くと、
大人しく絵を描いたり、本を読んだりしていましたが、
聴いていないようで、聴いていたんだと驚いたことがあります。

「徂徠豆腐」という講談があります。
これは、大学者荻生徂徠と豆腐屋のやりとりを描いた講談です。

その頃まだ上野にあった本牧亭に娘を連れて行ったところ、
講談師が誰だったかは覚えていないのですが、とにかく、高座では
「徂徠豆腐」が始まりました。

わかりやすい話、しかもいい話で
気分良く本牧亭を出たところ、
当時6歳の娘が、「豆腐屋さんの話、面白かった」
と呟いたのです。

ちょっと驚いたのですが、
どんなところが面白かった?と聴いてみると、

何と答えたか、詳しいことは覚えていないのですが、
ちゃんとキモを捉えているーと思ったことは覚えています。

ちょっと驚きました。

私は、この時、
「私の娘って、6歳なのに講談わかるんだー!なんて賢いんだろ!」
と驚いたのではなく、

「講談って、みんな古くて難しいイメージを持ってるけど、
6歳の子にもわかるようなネタもちゃんとあるんだー」
と驚いたのでございます。

これは、きっと、もっともっと聴いて、
いろいろなネタを知って、わかりやすい講談に出会えば、

小学校で15分やっている読み聞かせも
講談を聴いてもらう時間になるぞー
と感じたわけでございます。

このあと、講談師、講談といろいろな物語が待っているわけでございますが、
この続きは、また次回に譲ることに致しまして、

本日のところは、
「プロの講談師に講談を習いながら、講談を聴きまくる」の一席、
これをもって読み終わりと致します。