アマカン講談師の講談的ひとりごと

講談と講談師について、アマチュア講談師が気ままに語ります。

第六席 講談の稽古

講談は、もともとは机の上に本を置いて読んでいたそうです。
今でも、釈台を呼ばれる机を前にして講談を読むのは、
その名残りだと聞いたことがあります。

ということは、もともとは
講談師は、講談をあらかじめ覚えておく必要はなかった

覚えなければいけない ということがなかった。

わー 楽じゃん と一瞬思うんですが、
実を言うと、原稿を前にして読みながら、
右左を見る(上下(カミシモ)を切る と言います)って
結構大変なんですよー。

ま、それはともかくとして、
とにかくネタを覚えなくてはならない。

私は、小学校でも講談を読むことがあるんですが、
生徒が一番驚くのは、
「すご〜い、そんな長い話を覚えたのー?」
ということ。

大人の方も、どうやって覚えた⁉️ということに感動⁉️

確かに、覚えるのは大変と言えば大変。
いや、それほどでもないと言えば、それほどでもない。

講談は、覚えてから工夫することが山のようにあるので、
どちらかと言うと、そちらが難しく、
どちらかと言うと、その工夫に感動していただきたい⁉️(笑)

で、アマチュアの私がどうやって講談を覚えていくのかというと、
まず何度も何度も聴く〜

スピードラーニングとかいう英語の学習方法がありますよね。
ただ、聞き流すー。

でも、回数は多く。
ヒマを見つけて、スキマを見つけて聞き流す。

キッチンで、家族が出かけたリビングに
常に流れる講談・・・

通勤の行き帰りには、ヘッドホンと言うか、
私は片耳は空けておきたいので、
イヤホン って感じのもので聞き流す。

これで、耳が講談のリズムに馴染んで、
なんとなく言葉も覚えていく訳です。

そして、先生のお手本の講談を紙に起こします。
台本に起こすのは、聞き流しを始める前のことが
多いです。

なんか、「あ、文字にしとかなくちゃ」とか、
ずっと気になるので、先に台本を作ってしまうー。
これが、聴く時の邪魔になることはない感じです。
すぐに忘れてしまいますから(笑)。

ある程度、リズムが耳に馴染んで
次の言葉が思い浮かんだりする箇所が
いくつか増えてきたら、講談の台本を見て覚えます。

少しずつ区切って、
「今日はここまで」
「明日はここまで」
という感じで少しずつ。

で、あんまり時間をかけすぎると、
前に覚えたところを忘れてしまうので(汗)
そこそこゆっくり、そこそこ早く。

そして、
もしかしたらこれが一番大事なんですけど、
そろそろ一応、講談のネタ、一通り覚えそうだなーと思ったところで

先生に電話かメールをします。
「○○日に稽古お願いします」

これで、お尻に火がつく訳です。

5割ほど覚えたかなーというところで電話するんです。
完璧に覚えてから電話しよう とか思っていたら、
いつまでも覚えません。

締め切り、期限を決めるのって本当に役立つ。

締め切りを作って自分を追い込む。
これが、稽古のキモ という気がします。

あくまでも私のやり方です。

で、結局、うろ覚えでも
まだ次の稽古があるんです。

とにかく、一回人前でやる、恥をかく
そこから次のステップが始まるー
ような気がします。

講談の稽古で、
締め切りが大事ということ、
本当に学びました。

本日は
「講談の稽古」と題しました一席、これをもって読み終わりと致します。